【ブログ管理人】理学療法士のイマリ(@imari_yy)です。
理学療法士の道に進んで来る日も来る日も勉強・・・
そんな毎日に追われる日々に飽きがきたりしていませんか??
私の過去談ですが、そんな時期に理学療法士をプチ挫折した経験があります。
そこで得た知識、考えを共有します。
ちなみに、いま現在は理学療法士としての将来をどう考えていますか?
【A】理学療法士を突きつめたい!!
【B】お金が1番!!
【C】まだわからない
ここからは【A】と【C】の方に向けた、僕なりの答えを伝えます。
残念ながら【B】の方は理学療法士以外の別のスキルを磨いていく方が現実的なので、この記事の内容はピンとこないかもしれません。
経験値=年数ではない
理学療法士業界あるあるな話しですが、「〇〇さん、経験年数何年目??」みたいな会話がよくきかれます。
もちろん、1〜2年目の理学療法士と20年目の理学療法士なんてのは知識・技術的に比べる対象でもないでしょう。
でも、これだけははっきり言えます。
「経験=年数」は絶対に間違いです。
私は合計5カ所の職場を経験しましたが、それぞれの職場で本当に理学療法士の質は違いました。
残念なことに、周囲の人間が理学療法に対するモチベーションの低さやレベルの低さが理由で、自分自身もモチベーションが下がり理学療法士をやめる人もたくさんみてきました。
(その後は治験コーディネーターなどの医療関連へ転職した人もいれば不動産営業など全く関係のない仕事に転職する人などさまざまです)
無意識的に「環境の良し悪し」は感じているはずです。
個人的な考えになりますが理学療法士であれば、より強く影響を受けると思います。
結局、環境がよければ嫌でも自己研鑽に励みますし、そもそも自己研鑽自体が当たり前すぎて「つらい」などといった感情が出ないはずです。
経験の「積みあげ方」が大切
要するに、「積み上げ方」が理学療法士にとって、本当に大事な視点だと考えます。
例
- 2年目理学療法士A
- 2年目理学療法士B
いずれも1日20単位ほど算定するという条件での経験の積み上げ方の違いを考えてみましょう。
理学療法士A
大腿骨頸部骨折術後の患者に60分の介入。
高齢女性の患者で杖歩行まで可能だから、立ち上がり練習や歩行練習をしっかりやってもらいましょう。
患者の希望としては外出できるようになりたいとのことなので室内が安定してきたら屋外歩行も追加しよう。
理学療法士B
大腿骨頸部骨折術後の患者に60分の介入
高齢女性の患者で杖歩行まで可能。
たしかに筋力低下やバランス能力低下はあるけれど・・・
股関節〜膝関節〜足関節の荷重線が少しずれてるな・・
よくみると膝が内側に入りやすくてX脚みたいになってる(knee in)
- しっかり触診して骨のアライメントから整えよう
- 脊柱の伸展もでにくそう
⇨腰椎?胸椎?、はたまた股関節の問題?
おおまかに書いてみましたが、どちらが成長の伸びしろがあるかは一目瞭然ですよね。
「結果だけみれば」理学療法士Aは決して悪いことはしていませんよね。
ガイドラインや論文的に立ち上がり練習や筋力強化というのはもちろん必要性の高いおすすめプランではあります。
しかし、細かい部分まで評価し仮説立案・検証といった作業はできていません。
いわば「ガイドラインや論文に、患者を当てはめているだけ」なんですね。
こういった治療をやってしまっている人はいますぐやめて、明日から評価・治療をやり直しましょう!!
【複利】の視点
【複利】という言葉を知っていますか?
投資の世界で使われる用語になりますが、この考え方は理学療法士としての技術研鑽に多いに役立つ考え方だと思います。
複利とは・・・
100万円の投資に2%の年利2%の条件で銀行に預けた場合。
↓
1年間のあいだ、100万円を預けると1年後に102万円になっている。
[100万円の元金+(100万円×2%=2万円)]
さらに、もう1年間預けた場合。
↓
すると、104万円・・ではなく、
102万円に対して年利2%という計算になるため104万4百円。
この違いわかりますか??
長い期間で考えると、利益(金利分)がさらに利益を呼ぶという仕組みです。
30年くらい先になれば、その差は歴然ですよね??
これを理学療法士の研鑽という仕組みに応用です。
理学療法士Bのパターンで考えてみましょう。
1年目の頃からコツコツと考え、インプットとアウトプットを繰り返す。
知識が伸びる。
⇨その知識を使って患者をみる
⇨これまではみれなかった視点でみれる
⇨その広がった視点で診るとさらに疑問が出たり、知識の定着につながる
⇨さらにさらに視点が広がる
理学療法士Aの場合
高齢女性・大腿骨頸部骨折術後・外出の希望
⇨パターン化された治療を患者に当てはめる
⇨「とりあえず筋力訓練、歩行訓練やっておけば間違いはない」
⇨細かい解剖運動学に基づく評価(触診や動作分析)をしない・できない
⇨評価の幅、治療の幅は広がらない
⇨知識の停滞
⇨面白くない、モチベーションの低下
⇨勉強会の出席など、インプットをしなくなる
⇨アウトプットしなくなる・できなくなる
⇨知識の停滞
という好循環と悪循環が生まれます。
結論、新人のうちにたくさん症例を経験できる場所に就職しよう
まさに、これにつきます。
「複利の効果」を応用して早い段階で広い視点をもった理学療法士を目指しましょう。
最後も例え話になりますが、
理学療法士として年収を上げたいがために訪問看護ステーションへ転職するセラピストは多いです。
実際に、介護保険分野の方が現状としては稼げます。
しかし、基礎となる部分ができていない治療技術が未熟な理学療法士のまま訪問看護ステーションへ転職したとしても後悔しかないです。
「患者を良くできない」
「環境因子(住宅改修や歩行補助具の導入)でごまかすしかない」
「屋外歩行訓練・バランス訓練など、決まったことしかできない」
「ケアマネージャーの信頼を勝ちとれない」
厳しい言い方をすれば、上にあげたようなことになれば理学療法士じゃなくてもいいってことになります。
看護師がやってしまえばいいんですよ。
むしろ、看護師がやった方が安全です。笑
内科的なアセスメント能力も理学療法士より強く、緊急対応も可能。
点滴などの医療行為もできる。
理学療法士が在宅に関わるなら個人差はあれど「患者のカラダを良くできる」という部分がやっぱり大事だと思います。
そのための土台作りをしっかり考えてやりましょう。