【ブログ管理人】理学療法士のイマリ(@imari_yy)です。
理学療法士は楽しくてやりがいのある仕事です!!
そんな言葉を聞いても、もはや信じることができない人の気持ちはすごくわかりますよ。
なぜなら、僕自身も3年目〜4年目の頃、理学療法士をやめたいと毎日のように考えていました。
漠然とした感じで「なんだかつまんねえ」と思っていましたからね。笑
しかし、理学療法士7年目にして「楽しさ」がわかってきたような気がします。
理学療法士をやめたい人、つまらないと感じている人にはぜひ、僕の考えを共有させてください。
5年目くらいまでは「仕事が楽しくない」は当たり前
理学療法士という仕事そのものが楽しくないと感じるパターンと職場環境が嫌と感じるパターンの大きく2つにわかれると思います。
理学療法士ではありませんが、世の中の新卒1年目を対象にしたある調査によるとおよそ60%以上の人が新卒1年目で「仕事をやめたい」と思ったことがあるそうです。
新卒理学療法士はここまで高い数字はないと思いますが、実際に新卒1年目の途中で理学療法士自体をやめる人も少なからず存在します。
事実、私の周りにもちらほら見受けられました。
圧倒的に多かったのは、1〜3年目の理学療法士です。
「理学療法士が楽しくない」
「他の仕事のほうが楽しそう」
「他の仕事のほうが稼げる」
そういって病院をやめていく人は意外にも結構多いです。
「つまらない」の理由は本物の理学療法士を知らないから
理学療法士がつまらないと感じる一番の理由は、
「知識・技術が足りないから」だと個人的に推測しています。
これは自分自身の経験も含めてのことなのですが、おそらく若手の理学療法士でそのように感じる人の90%くらいは知識・技術の少なさが影響していると思いますよ。
「本物の理学療法士」とはなんなのか?
僕の見解としては、「患者の身体機能を良くできる理学療法士」です。
賛否あることは百も承知ですが、最終的に行き着くゴールはここではないかと考えています。
理由はさまざまありますが、1番に挙げるとすれば「運動学に強みをもった医療専門職で身体機能を解剖・運動・生理学をベースに”治療”できるから」です。
わかりやすい例を挙げるとすれば、訪問リハビリテーションの環境調整です。
理学療法士は環境調整のプロですよ、お任せください。
といった感じでケアマネージャーにアピールしている訪問の事業所があります。
もちろん専門職として環境調整はプロです、間違いありません。
しかし、長く在宅看護の経験がある看護師でも負けず劣らずの環境調節ができます。
それでは、訪問理学療法士が在宅の環境調節をすべき理由とは?という疑問が出たりするわけですよね。
他職種にできない点を、専門職として責任をもって実践するという考え方が大事だと思います。
石の上にも3年?PTに関しては10年?
なぜ、「患者の身体機能を良くできる理学療法士」が本物の理学療法士なのか?
特に若手の理学療法士は、この言葉が胸にグサっときませんか?
- 担当患者のADLが全然上がらない
- 痛みの原因が全然わからない
- 自分の治療が正解かどうかわからない
若手理学療法士の当然の悩みです。
そう、安心してください。
これは皆が抱える悩みなんです。
これを解決するためには、膨大な時間がかかります。
石の上にも3年なんて言葉では足りませんよ。
ただ、ひとつだけ言えることは必ずある一定の知識・技術・経験が蓄積されてきたタイミングで「少しわかる」ようになってきます。
僕はそのタイミングが7年目くらいからでした。
たぶん遅い方です。笑
しかし、その結果理学療法士の仕事が「楽しい」と思えてきましたし、アナタもそうなる可能性が十分にあります。
「守・破・離」の基本法則がつまらないを解決
「守・破・離」(しゅ・は・り)という言葉、知っていますか??
日本での茶道や武道などにおいて学びの姿勢を示す言葉です。
僕なりの解釈として理学療法士の世界で例えてみます。
「守」:型(パターン)を守ること。
- 先輩の評価・介入・臨床推論について教えてもらうこと。
- 基本を知る。(評価、治療方法など)
- 論文、教科書をもとに正しい知識をインプットすること。
「破」:型(パターン)を破ること。
- 型(パターン)を守って評価・治療をやってみた結果、上手くいかないことに疑問をもつ。
- 型(パターン)だけでは限界があることを知る。
- その他の治療方法について調べたり研究する。
「離」:型(パターン)を離れること。
- これまでの経験をもとに治療を応用する。
- 対象者ひとりひとりにあった介入をおこなう。
- 研究(論文)として、あらたな知見を広める。
若手理学療法士がつまらないと感じて転職したい気持ちが出るのは当たり前。
しかし、そこをぐっと我慢してもう少しスキルアップをしてみましょう。
せめて「守」(=基礎)は越えてから転職を考えよう
とはいえ、知識・技術の問題でつまらないだけとは限りませんよね。
明らかに職場環境の問題でやめたいと感じるケースも多々あると思います。
あくまでも目安のひとつとしてですが、「守・破・離」のステージのうち「守」を越えてからの転職がおすすめですよ。
ここでたとえる「守」とは、いわゆる基礎です。
いま働いている場所の領域における「基礎」を固めることが大事であると解釈しましょう。
いまの職場がどんな状況であれ、少なからず得られる学びがあるはずです。
土台作りがある程度できた時点で次のステップ(転職)へ進むと後々、後悔せずに済みます。
理由
- 特に高齢者は「重複障害」が当たり前
- 全体の時期(急性期〜生活期)を知れば知るほど、「いま」を評価できる
少なくともこの2点は大事な視点です。
私の場合、下記のように転職を繰り返してきました。
急性期⇢回復期⇢生活期(訪問)⇢整形外科クリニック
新人の頃に学んだ急性期リハビリテーション経験はあらゆる病期においてリスク管理の必要性などの知識が、いずれの職場においても活かされています。
いまの整形外科クリニックでは、痛みを主訴に外来リハビリテーションを受ける脳卒中後片麻痺の方がいます。
痛みの原因として、片麻痺を含む姿勢の問題が大きい場合も多々ありますが、回復期・生活期での脳卒中後患者との関わりが良い経験として活きています。
しかし、いずれの経験も中途半端なまま次の職場へ移動してしまうとせっかくの経験も定着しないままになってしまいます。
最後に
理学療法士がつまらないと感じるのは、まだまだひよっこ理学療法士であるという可能性が高いわけです。
僕もまだまだひよっこですが、すこしずつ目の前の患者の疑問をひもとく作業を繰り返すことで、見る視点が広がり楽しさを感じるようになってきました。
- 理学療法士をやめたい
- 理学療法士はつまらない
そのように感じているアナタには、そういう視点があるということをぜひ知っておいてほしいです。