筋の構造・機能

大腿直筋[rectus femoris]

 

本記事では「大腿直筋」に関する情報をまとめています。

概要

  • 筋腹の幅は大腿部の長軸長の近位1/3の部位で最も広く、膝蓋骨の近位約6cmの部位で最も狭い。
    それより遠位では腱のみが存在し筋腹はない。
  • 停止腱は、全ての広筋が終わるシート状の停止腱と融合して膝蓋骨を包み、膝蓋靱帯を介して脛骨粗面に終わる。
  • 大腿四頭筋の中央表層に位置。
  • 大腿直筋の起始は2つの腱に大別することができる(直接枝と間接枝)
  • 大腿四頭筋のなかでも唯一の2関節筋で膝関節全伸展トルクの約20%を担う。
  • 大腿直筋反回頭は部分的に股関節関節包に付着している。

起始・停止・作用

起始

  • 下前腸骨棘(直接枝)
  • 寛骨臼の上縁(間接枝)

停止

  • 膝蓋骨底
  • 脛骨粗面

作用

  • 股関節の屈曲
  • 膝関節の伸展

神経支配

  • 大腿神経(L2〜L4)

 

筋断面

 

筋連結

大腿直筋は内側広筋、中間広筋、外側広筋と連結をもちます。

アナトミートレイン

準備中

 

筋重量

筋重量(g)
大腿直筋 110.55±43.33
外側広筋 375.85±137.18
中間広筋 171.86±72.89
内側広筋 239.44±94.83

 

筋長

筋長(cm)
大腿直筋 36.28±4.73
外側広筋 27.34±4.62
中間広筋 41.20±8.17
内側広筋 43.90±9.85

 

筋線維長

筋線維長(cm)
大腿直筋 7.59±1.28
外側広筋 9.94±1.76
中間広筋 9.93±2.03
内側広筋 9.68±2.30

 

羽状角

羽状角(°)
大腿直筋 13.93±3.49
外側広筋 18.38±6.78
中間広筋 4.54±4.45
内側広筋 29.61±6.89

 

PCSA(生理学的断面積)

生理学的断面積(cm2)
大腿直筋 13.51±4.97
外側広筋 35.09±16.14
中間広筋 16.74±6.91
内側広筋 20.58±7.17

 

トルク値(モーメント)

PCSA 20°寄与率(%) 90°寄与率(%)
大腿直筋 13.5 16.0% 17.4%
外側広筋 35.1 43.0% 39.0%
中間広筋 20.6 23.7% 24.1%
内側広筋 16.7 17.3% 19.5%

 

参考および引用文献

  • 身体運動学 関節の制御機構と筋機能
  • 筋骨格系のキネシオロジー第3版
  • 改訂第2版 骨格筋の形と触察法

 

理学療法士のイマリ(@imari_yy)です。

現在は整形外科クリニックで勤務しながら副業(トレーナー&Blog)を継続しています。

 

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  • この記事を書いた人

イマリ

【資格】脳卒中認定理学療法士/運動器認定理学療法士/中級障がい者スポーツ指導員/ 【経歴】総合病院▶︎回復期病院▶︎訪問看護ステーション▶︎訪問看護ステーション▶︎整形外科クリニック/合計4度の転職経験/

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