【ブログ管理人】理学療法士のイマリ(@imari_yy)です。
今回は、【理学療法士はやめとけ!!】という意見に、現役理学療法士が ” ちょっと待った ” をかけたいと思います。

なぜ「やめとけ」なのか
- 給料が低い
- プライベートなし
- 将来性なし
- 仕事が楽しくない
おそらくは上記のような理由で、理学療法士はわりに合わないと思われているようです。
仮にそうだとしたら、私が否定します。
とはいえ、私自身もこれまでに理学療法士をやめようかと考えた時期もありました。
「理学療法士を本業としてお金をジャンジャン稼ぎたい」
そういう人にはおすすめできないのは確かです。
ただ、私は結果として理学療法士を続けていますし、これからも続けたいと思っています。
当然ですが、それなりの理由もあります。
現役理学療法士が本音をぶちまけながら紹介します!
【やめとけの理由①】給料が低い
大抵の人は当然のように給料に不満が出ます。
私がやめたいなと考えていた時期にも同じようなことを思っていました。
実際、収入アップは仕事のモチベーションに強く影響しますよね。
反論
- 決して高収入ではないが安すぎることもない
- 給料以外の価値を見出す
→安定の固定収入
→安定の雇用(転職先◎)
チェックしておきたいのが統計学的なデータです。
そもそも日本人で年収1000万円以上を叩き出している人の割合は全体で5%程度です。
1000万円超1500万円以下 | 3.6% |
1500万円超2000万円以下 | 0.8% |
2000万円超2500万円以下 | 0.3% |
2500万円超 | 0.3% |
人によって高収入の基準は多少ズレがあると思いますが、仮に高収入=年収1000万円とすればほとんどの人や仕事が高収入には当てはまらないことになります。
理学療法士A
給料が低いしわりに合わない
そんな声が多数聞かれていることは確かです。
理学療法士の実情
- 平均年収は350〜450万円程度
- おおよそ30万円/月+賞与
- 生涯賃金の概算はおよそ1億8000万前後
- 総合病院等ではいまだに多くの場所が副業禁止
たしかに統計的には高い賃金とは言えませんが安すぎるワケでもありません。
雇用という視点でみれば、一般企業が不景気に煽りを受けてリストラされたり、転職活動に失敗してブラック企業に入社。
はたまた何かの拍子にニートやフリーターになる危険性なども考慮すれば安定雇用はありがたい特権です。
当然、理学療法士といえどリストラに合わないとは言い切れませんが少なくとも景気による変動はほぼありません。
給料に不満が出る人は、まずどこのラインを目指しているかかポイント。
もちろん私自身も高い給料は欲しいですし、上を見れば見るほど現状に不満が出ることはあります。
ただ、人間は考え方ひとつで価値観は変わるものです。
あくまでも、いまの私の考えですが・・・
たいして残業もしてないし、(世の中的に)ブラックと言われるような労働環境でもない。
独立したいワケではないし、それなりの労働環境でそれなりの給料をもらっているから妥当だと思う。
お金と幸福度に関するデータでは、年収が700〜800万円前後で幸福度はピークを迎えるようです。
満足度と幸福度は別モノですから注意が必要ですが、まずは年収700万円あたりを確保できると理学療法士に対する不満も少なくなりそうですね。
【対策】働き方・場所によっては高収入も可能
働く場所によっては年収500万円〜600万円は可能なので必ずしも”安月給”ではないとも言い切れますね。
実際に私自身は20代後半の一時期、副業なしで年収650〜700万円ほど稼いでいました。
-
-
理学療法士の実際の給料大公開【高収入がすべてではない】
続きを見る
世の中の現状だと、まだ訪問看護ステーションは理学療法士・作業療法士としては高水準の収入が得られますよ。
【対策】副業をはじめましょう
<給料≒労働の量>
この問題に関しては、職場によってはもちろん「ある」と思います。
サービス残業が当たり前だったり、プライベートの時間を潰して勉強に励んでいる人はたくさんいます。
そういった場合に手取り早いのは、ズバリ転職です。
- 残業が少ない
- 休日が多い(週休2.5日ないし3日)
理想はこの2つを手に入れられる場所がBest!!
休日やアフター5を使って、どんどん副業にトライしましょう。
休日、残業なしという条件の転職は、そう簡単にはいかないかもしれませんが給料面の不満を解消したいなら思い切って地方へ引っ越しもアリ。
都心と地方で給料に差はあるのか、という疑問の答えは【アリ】です。
しかし、大幅な差というわけではありません。
これは公的な保険制度の恩恵だと思いますが、診療報酬はほぼ一定です。
(介護保険で1単位あたりの単価が少し違います。)
そのため、地方で理学療法士として働きながら物価の安い場所で暮らせばその分支出がおさえられて余裕が生まれるわけです。
理学療法士は良い意味で、給料の変動が少ない仕事です。
この点はかなりプラスになります。
副業は安定した固定収入があるから、しっかり向き合えるものです。
副業するにも短期間で結果が出ることなんて稀ですし、最悪副業に回したお金を失っても「人生終了」とはなりません。
理学療法士
副業やれと言われても、時間がとれない
問題はここだと思います。
仮にアナタの職場がサービス残業も含め毎日残業が多くて早く帰れない、という場所で働いているなら2つの行動を起こした方がよいと思います。
- 仕事のやり方、残業の理由、プライベートを含めた時間の使い方を見直す。
- 意味もなく残業が当たり前になっている職場環境(風潮)があるなら即、転職。
特に(2)に関しては時間の浪費でなので厳しく考えましょう。
【やめとけの理由②】勉強ばかりでプライベートの時間が少ない
理学療法士A
休日も勉強ばかりで消耗
理学療法士B
残業ばかりでプライベートの時間がない
理学療法士・作業療法士は、たしかに勉強がずっと続く仕事です
中にはこういった現状の人もいるのかなと。
反論
- 勉強のやり方次第で時間は確保できる
- 勉強しなくてもよい仕事は、職を失う可能性大
- 環境を変えればほぼ残業なしは実現できる
たしかに一般企業に比べると年間の休日はやや少なめの傾向ではあります。
病院によってはお正月やゴールデンウィークなど関係なくリハビリを行う施設も多いですし、祝日出勤はあると考えていた方が無難ですね。
私は休みの多い職場が良いなと思ったので訪問看護ステーションや整形外科クリニックの方が好きです。笑
そういった場所であれば、土・日・祝休みも当たり前です。
【対策】まずは自分自身の生き残りのための勉強であること意識する
そもそも論になってしまいますが、勉強する意味・必要性とは何かを考えましょう。
- 患者の治療成績アップのため
- 自分自身の貢献感、満足感のため
- 働く場所を確保するため
少なくともこの3つは誰しもが必要なことだと考えています。
理学療法士はボランティアではありません。
医療従事者は何かと「ボランティア精神」がある人、みたいに思われがちですがそうではありません。
step
1お金をもらう
step
2治療をする
これが当然だと思います。
少なくとも私はそう思っています。
とはいえ、やはり治療が功を奏して患者が良くなれば嬉しいですよね。
その一方で、理学療法士がどんどん増加していくことで自分の働く場所が徐々に少なくなりつつある世の中です。
自分の働く場所を確保するためにも、職場に選ばれる人材となるべくスキルアップは欠かせません。
そうすればおのずとプライベートの時間を使って勉強することに不満を覚えることが減るのではないでしょうか?
ちなみに、最近感じていることなんですが理学療法士って世間を知らないと思うんです。
医療職って特殊な環境だと思います。
高校卒業⇨大学⇨理学療法士・作業療法士
このルートを通って【理学療法士以外の仕事】を知らない人が大半なので、逆に理学療法士以外の仕事をしても「なにかと不満を並べる人」が多いと思う。
そして、自分たちこそは「勉強ばかり必要で、すごく大変な職業」だと勘違いしやすいような気がします。
- 営業職
- プログラマー
- 金融関係 などなど
世の中にはいろいろな仕事がありますが、どの仕事も勉強が大切です。
優秀な結果を出す人間は、やっぱりそれ相応の努力をしています。
理学療法士・作業療法士だけが休日返上で勉強していると思ったら大間違い!!
それに勉強会と言っても結局は個人のペースでOKです。
無理して通い詰めなくても、普段の仕事で先輩にアドバイスをもらって真面目に取り組むだけでも着実に成長しますので安心してください!
【やめとけの理由③】将来性に不安がある
仕事に対して、将来性があるかどうかも大事なポイントですよね!
特に理学療法士は「将来性がない」という声がよく聞こえてきます。
- 理学療法士人口が大幅に増えたこと
- 高齢者増加で医療財源の圧迫に伴い理学療法士の給料は上がりにくいという現状
- ロボットなどの支援工学が発達し「人」対「人」の治療が減るかもしれない
あくまでも予想ですが、このあたりが「将来性がない」といわれる理由でしょうか?
反論
個人的な予想ですが、あと数十年は雇用に関して問題なし。
他の仕事に関しても、AIの発展により将来が危うい仕事は多い。
その点、理学療法士・作業療法士はむしろローリスクな仕事に入る可能性が高い。
2050年くらいまでは高齢化率の上昇が見込まれるため雇用はある程度守られると思います。
また、理学療法士も働く場所(領域)を拡大していっているわけですし。
これからはヘルスケア領域の参入もどんどん増えるでしょうし、専門領域なんかもより細分化されていくかなと。
注意ポイント
注意点としては、【総人口は減少】の予測があります。
これは大問題です!
ただ、総人口の減少によって理学療法士も危ういかもしれませんが、他の仕事も同様に影響を受ける可能性が高いですよね。
たとえば飲食店サービス業や不動産業など。
結局、【住んでいる人】が少なくなればそれだけ消費行動(量)は少なくなるわけですからね。
つまりは、【将来性がない】といわれても証拠は?って感じです。
「将来性がない」という話しは、あくまでも理学療法士に限らず、どの仕事にもほぼ平等に起こりうるわけです。
理学療法士だけをピックアップして【将来性がない】と決めつけることはしない方がよいと考えます。
【やめとけの理由④】仕事が楽しくない
楽しくないと感じる理由には、心当たりがあります。
僕の経験上、「知識が足りないから楽しくない」もしくは「教科書的な治療に患者を当てはめている」はずです。
つまり、患者の治療が上手くできていないことで結果が出ないし、結果が出ないから楽しくないと感じているワケです。
【対策】勉強+経験しかない
僕の尊敬する作業療法士が言っていた言葉です。
「10年くらい経験して、やっと結果が出せるようになってきた。」
最初は本当の意味で理解できていなかったのですが、いま理学療法士6〜7年目になって「なるほど!」とわかる気がします。
おそらく経験年数1桁程度では、この仕事楽しくないと思いますよ。笑
僕もまだまだ治療できて結果が出せているとは言えないですが・・・。
ただ、少しずつ仕事(治療)が楽しくなってきたことは確かです。
それは以前よりも患者の状態がわかるようになってきて治療効果も出せるようになってきたから。
地道に研鑽を積んでいくしかありませんね。
【対策】環境を変えてみる
やっぱりどうしても楽しくないな、感じれば転職を検討しても良いかと思います。
転職するか悩んでいるなら、まずはマイナビコメディカルもしくは【PT・OT・ST WORKER】で情報収集だけでもやってみましょう。
転職サイトの活用は半分おすすめするけど半分はおすすめしません。
はじめのうちは面倒だなと感じるかもしれませんが、希望の条件で求人情報を集めてくれます。
自分でイチから探すより、よっぽど効率的で楽ではありますよ。
おすすめしない点については下記の記事で説明しています。
ざっくり言えば、採用する側(病院など)にお金がかかることで内定に影響する場合があるということです。
あとは、サービスを利用しなくなったあとでもちょいちょい営業のメールないし電話が来ることです。
まあ日常生活上、まったく害はありません。(無視でOKです)
何度も連絡があれば「いまは必要ありません」と一言伝えると連絡はストップします。
-
-
理学療法士の実際の給料大公開【高収入がすべてではない】
続きを見る
-
-
【失敗する人の特徴】20代の理学療法士が4度の転職でたどりついた成功術。
続きを見る
私はその辺のデメリットを差し引いても利用するメリットはあったので過去2度ほどお世話になりました。
- 思い立ったら即、行動できる
- わずらわしくても効率的な時間の節約
この2つを実践できるかどうかが人生のポイントです。

最後に
私個人の考えではありますが、反論は以上です。
基本的に、性格的な面や職場とのミスマッチで合わなかった人たちが【理学療法士はやめとけ】と主張されていると推測しています。
しかし、【理学療法士はやめとけ】と主張する人の裏側には、やりがいや楽しみを見出して頑張っている人がいることをお忘れなく。

大多数の人が同じような考えを持っていて、やめた方がいいと思っているならリハビリテーション業界は崩壊しています。笑
途中でも伝えましたが、僕自身も理学療法士をやめようと思ったことはあります。
でも、長い人生のなかで1〜2度はだれしも仕事をやめたい、向いていないと悩むことはありますよね。
【あるひとつの意見があれば、必ずその逆の意見も多かれ少なかれ存在するので視野は広くもちましょう。】