理学療法士の本音

【理学療法士が本音を赤裸々告白】理学療法士とは良い仕事と言えるのか?

 

【ブログ管理人】理学療法士のイマリ(@imari_yy)です。

10秒でわかる記事の概要

  • 【理学療法士】とは病院などでリハビリを行う専門職のことです。
  • 現役理学療法士が経験した点を踏まえ仕事の内容を解説しています。
  • 現在も、この先の将来も【大事な役割をもった仕事】でありおすすめできます。

 

 


この記事では私が仕事としている【理学療法士】について紹介していきます。

進路に迷う高校生や転職を考えている社会人へおすすめ記事です。

 

結論

高収入を求めたり、勉強する努力が苦手な人は向いていません。

 

このような条件を優先的に求めるならあまり向いてない可能性があります。

あくまで個人的な意見ですが、他の仕事の方が稼げる可能性は高いです。

 

では、前置きが長くなりましたが読み進めてみてください。

 

理学療法士のお仕事

 

こちらもCHECK

理学療法士を簡単に解説【一般の方向け】

続きを見る

 

収入

生涯賃金は1億8000万円前後だと言われているようです。


日本の大企業上位50位くらいだと3億5000万〜5億円くらいが生涯賃金(推計値)とされています。


ちなみに500位くらいでも2億6000万円くらいが推計値。

悲しいですが、定年まで普通に理学療法士をまっとうするだけなら全然手が届きません。

新卒で年収350万円前後、平均年収は400〜450万円前後。

もちろん就職先で変動はありますが医療法人(病院)だとこれくらい。


最近は株式会社が経営する施設(訪問看護ステーション)が増えました。

そのような職場だと高いところで500万〜600万円くらいです。

 

メリット

一般企業と比較して求人や給料は安定している。

デメリット

悪く言えば理学療法士としての努力量は給料に関係しづらく高収入は期待できない

理由は、至ってシンプルです。

医療保険制度・介護保険制度による国が絡んだ制度による報酬が売り上げとなるため基本的に都心だろうが田舎だろうが報酬が同じになります。
(細かく言うと地域によって多少違いも生まれるのですが・・)

 

保険制度内での業務をやっている以上、収入で差別化されることは難しいと思います。

 

残業

もちろん就職先で変わると思いますが、いまだにサービス残業が多い施設はあると聞きます。


他に【勉強】という名目での自主的な居残り?みたいな感覚で遅くまで努力する人も多いと思います。

わりとそういった風潮が残っている業界だと思います。


私が経験した職場では、ほぼ残業できないと言ってもいいくらい管理がしっかりしていました。
長くても残業は1時間。
5〜6時間/月で多い方でしたね。
基本は定時で帰ることが当たり前です。

逆に自己学習で残りたくても書面で手続きしたり面倒だったので、不便でした。

休日

だいたい週休2日(+祝日、夏季、年末年始)です。

民間病院だと祝日関係なしの病院も増えています。

年間休日だと110日前後。
休日が多い施設だと120日〜130日くらい。

ただし、特に若手の頃は【勉強会】で丸一日休みが潰れやすいです。

 

これに関しては、

どの仕事を選んでも勉強しない人間は大成しないと思いますので・・・
特に否定的な気持ちはありません。

理学療法士に限らず医療職として仕事をしていくうえでは、【生涯勉強】といった心づもりは必要ですよ。

 

理学療法士になるためには

 

  • 理学療法士の専門学校(3年制or4年制)
  • 大学の理学療法学科(4年制)

日本では必ずこの道を通る必要があります。

 

こちらもCHECK

【3年制はNG?】理学療法士になりたい人は4年制の学校を選ぶべき理由を解説。

続きを見る

 

専門学校(昼間/3年制)

  • 3年間の学費:350〜450万円程度
    (授業料や教科書代、実習費など)
  • 卒業して得られる称号:「専門士」
  • 卒論が必要ないところもある
    (私はそうでした)

専門学校(夜間/4年制)

  • 夕方18時前後から授業開始
    昼間は働くことができる
  • リハビリ助手などの仕事を紹介してくれる学校もある
  • 社会人経験者が多い傾向あり

その結果、
昼間部より本気度の高い学生が多い(かも)

やはり社会人経験者の学生はモチベーション(というか覚悟)が桁違いに良いです。
周りのクラスメートに刺激を受けながら頑張れることはすごくメリットだと思います。

専門学校(4年制)

  • 「高度専門士」の称号が得られる
    大学院への進学が可能となる
  • 「専門士」でも進学できないわけではない
    しかし、学校の数はぐっと狭くなる

    ※高度専門士とは4年制の学科で一定の要件を満たした学校を卒業することで得られる称号

大学の理学療法学科

  • 付属病院等で実習を行う環境が整っている
  • 国公立になれば学費はやや安い
  • 大学院に進学しやすい
    研究者になりたい人はこちらがおすすめ

学費

4年制
専門学校
学校A
(4年制専門)
学校B
(4年制専門)
学校C
(3年制専門)
1年次
(入学金含む)
190万円 188万円 140万円
2年次 140万円 158万円 120万円
3年次 140万円 158万円 120万円
4年次 140万円 158万円

(※学費は例です。資料請求などで詳細をチェックしてください。)

理学療法士
3年制専門学校でも授業料の他に教科書代や実習費など出費は多いです。
理学療法士
実質的には400〜450万円程度はかかると思った方がいいでしょう。

 

 

ちなみに

学校Cは私の出身校がモデルです。

その他の経費として・・・
・交通費(自宅〜学校まで車通学)
・修学旅行積立
・実習期間中の生活費
(県外でひとり暮らし)

 

奨学金は合計360万円ほど借りて、アルバイトを週3日くらいやっていましたね。

 

理学療法士になりたい人は

 

 

想像していた部分とのギャップに気をつけて!

 

 

 

就職先

  • 総合病院
  • リハビリテーション病院(=回復期病院)
  • 整形外科クリニック
  • 老人保健施設
  • 訪問看護ステーション

これらが代表的な就職先で6割〜7割以上(?)の
理学療法士はいずれかに勤務していると思います。

おすすめの職場

新卒で就職するなら一般の急性期病院がおすすめです。
理由は、自分を成長させるための環境が◎

ただし、これは【自分がどの分野を専門にしたいか決まっていない人】におすすめです。

 

逆に【自分は〇〇の分野で頑張りたい】と学生時代から決まっていれば迷わずその分野に強い職場を探して突き進んでください。

 

将来性

ここ、結構大事だと思います。

これはあくまでも個人の考えですが・・・

この仕事、将来性あんまり良くないと思っています。

 

理由

【ロボット技術の向上】

【総人口の減少】

【再生医療の発展?】

 

現状、雇用は安定しています。


働く場所(領域)は確かに増えつつあります。

 

例えば、【介護予防】といわれる分野。

理学療法士の知識が介護の分野でも使われていますし、自費リハビリという保険制度関係なしの営業スタイルが増えました。

これまでは、【病気やケガを負ったあとの治療】に対して理学療法士がかかわってきました。

しかし、【病気やケガをしないように予防するためには運動がおすすめですよ】といった具合に理学療法士が登場しているわけです。

 

しかし、ロボットなどのハイテク技術がリハビリテーションの分野でも活かされる時代です。

これまでは理学療法士が自分達の手を使ってやってきた治療が【ロボットに置き換わる】可能性もあるかもしれません。

 

また、総人口が減少するという予測は【大問題】です。

 

そもそも【リハビリが必要な人】の数が減るわけですよね。

 

いやいや待てよ、でも高齢化率は上がるんじゃないの?

 

と、思うかもですが・・・

さきに話したとおりハイテク技術や再生医療の進展とあいまってやっぱりリハビリの需要は減る可能性があると考えています。

 

そして2020年現在、20歳代の理学療法士だけで3万人以上です。

30年後の2040年になったとしても現在の20代の世代が50〜60歳でまだ現役の可能性大ですよ。

 

理学療法士人口はさほど減っていない可能性が高いです。

 

 

どう思いますか?

 

 

30〜40年後って再生医療もすごーく進歩してそうな気もしますよね。


もしかすると空飛ぶタクシーとかも現実にありそう。


そんなことを考えていると、理学療法士の将来性を疑いたくなってしまいます。

 

 

ほぼ高齢者が対象

 

理学療法士を目指すきっかけあるあるですが・・・

高校の運動部時代にケガで理学療法士さんにお世話になったことがきっかけです。

 

周りにも多かったし、私自身もそうでした。

 

そんなわけで、専門学生だった当時・・・


スポーツ選手に帯同できるような理学療法士になるぞー!


と、思いを馳せていました。


しかし、【理想と現実のギャップ】はもちろんあるわけです。

 

病院勤務であれば対象の人はほぼ高齢者

 

スポーツ業界で活躍したいなら、

  • 圧倒的な勉強量
  • スポーツ外来をやっている職場
  • 人脈作り



これらをしっかり計算してキャリア設計をすべきです。

 

これはダメ

  • 理学療法士になったことで満足して勉強しない
  • 整形外科やスポーツ外来のない職場に就職
  • 休日は家でごろごろ
    (スポーツイベント等に参加しない)

 

理学療法士
自分の理想とする理学療法士になるためには環境が大事ですよ!

 

 

最後に

 

ちょっと悲しげなことも語ってしまいましたが、医療サービスに理学療法士は欠かせない大事な職業です。

もちろん高齢者だけでなく小さな子供からアスリートまで全世代の人達に役に立つ仕事で感謝されることも多々あります。

 

やりがいとか人の役に立つ仕事がしたいと考える人には天職かもしれません。

 

逆に、めちゃくちゃ稼ぎたいとか、他人とのコミュニケーションが苦手な人にはあまり向かない可能性もありますので気をつけておきましょう!

 

こちらもCHECK

理学療法士という仕事をおすすめできる理由【意外と良い仕事です】

続きを見る

こちらもCHECK

理学療法士と作業療法士の違いを解説

続きを見る

こちらもCHECK

理学療法士は動物のリハビリもできるって知ってますか?

続きを見る

 

  • この記事を書いた人

イマリ

【資格】脳卒中認定理学療法士/運動器認定理学療法士/中級障がい者スポーツ指導員/ 【経歴】総合病院▶︎回復期病院▶︎訪問看護ステーション▶︎訪問看護ステーション▶︎整形外科クリニック/合計4度の転職経験/

-理学療法士の本音