筋の構造・機能

頭板状筋[Splenius capitis]

 

 

本記事では「頭板状筋」に関する情報をまとめています。

特徴

  • 頚部と背部に位置する板状の筋。
  • 僧帽筋と胸鎖乳突筋の深層に位置。
  • 頭板状筋と頚板状筋の起始付近の筋腹は連結により不明瞭。
  • 板状筋は生理学的断面積が大きいため筋力発揮に有利。
  • 頚椎伸展筋の機能不全として首下がり症候群(DHS)と関連

 

起始・停止・作用

起始
  • 第3〜7頚椎の棘突起
  • 第1〜3胸椎の棘突起
停止
  • 側頭骨の乳様突起
  • 後頭骨の上項線の外側部
作用
  • 頭頸部の伸展
  • 片側のみの収縮で頸部の伸展と同側回旋
神経支配
  • 頸神経後枝の外側枝(C1〜C5)

 

 

筋連結

頭板状筋 頚板状筋
胸鎖乳突筋
最長筋

 

生理学的断面積(cm2)

板状筋 4.26±1.04
胸鎖乳突筋  3.72±0.91
頭長筋  0.92±0.35
前斜角筋  1.45±1.23
中斜角筋  2.00±0.73
後斜角筋  1.55±0.90

 

筋束長(cm2)

板状筋 9.5±1.04
胸鎖乳突筋  10.8±0.9
頭長筋  3.8±1.0
前斜角筋  4.2±1.3
中斜角筋  5.0±0.8
後斜角筋  6.2±2.1

 

その他

頭板状筋は頚椎伸展筋として作用し、首下がり症候群(DHS:dropped head syndrome)の水平視などに重要であると考えられます。

首下がり症候群とは頚椎伸展筋の機能不全により、後弯変形、頚部痛、食事摂取困難、水平視困難などを起こす病態です。

 

参考および引用文献

  • 身体運動学 関節の制御機構と筋機能
  • 筋骨格系のキネシオロジー第3版
  • 改訂第2版 骨格筋の形と触察法

 

理学療法士のイマリ(@imari_yy)です。

現在は整形外科クリニックで勤務しながら副業(トレーナー&Blog)を継続しています。

 

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  • この記事を書いた人

イマリ

【資格】脳卒中認定理学療法士/運動器認定理学療法士/中級障がい者スポーツ指導員/ 【経歴】総合病院▶︎回復期病院▶︎訪問看護ステーション▶︎訪問看護ステーション▶︎整形外科クリニック/合計4度の転職経験/

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