理学療法士のイマリ(@imari_yy)です。
過去、転職4回(うち2回は転職サイト活用)を経験。
痛みとは
2020年7月に国際疼痛学会(IASP)により新しい痛みの定義がなされました。
日本疼痛学会の日本語訳はコチラ↓
「実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する、あるいはそれに似た、感覚かつ情動の不快な体験」
組織の損傷、いわゆる侵害受容だけでなく情動体験などによる痛みも存在するということがわかります。
痛みを理解するためには
理学療法士であれば、必ず直面する「痛み」についてどう捉えるかは絶対に押さえておくべきところです。
しかし、痛みを理解することは簡単なことではありません。
分類、病態、メカニズムなどそれぞれの視点で考えることが多いためです。
痛みの種類・病態・メカニズムなど
- 侵害受容性
- 神経障害性
- Nociplastic
- 急性痛
- 慢性痛
これらについて頭の中を整理するために役立つ書籍が「疼痛医学」です。
【疼痛医学】の基礎情報
「”痛み”に正面から対応するための本邦初の教科書」として疼痛研究・教育に最前線で携わる執筆陣が結集し、基礎研究から臨床まで「疼痛医学」のスタンダートを示すという位置付けになっています。
【疼痛医学】 | |||
出版社:医学書院 | |||
監修 | 田口敏彦 | 飯田宏樹 | 牛田 享宏 |
定価 | 6,000円+税 | ||
発行日 | 2020年10月 | ||
その他 | 判型:B5 項:400 |
目次(大項目のみ)
- 総論:痛みの多元性
-痛みの定義
-痛みと社会 - 基礎科学
-痛みの神経解剖および神経生理学
-運動器の痛みのメカニズム
-痛みの脳科学と疼痛行動の心理学 - 臨床病態
-臨床でよくみられる疼痛の病態
-特定の痛みの問題 - 痛みの評価と治療
-評価
-治療
さらに詳細を知りたい場合は医学書院で確認できますよ。
口コミ・レビュー
臨床で痛みは最も多く接する症状だと思う。
ペインリハビリテーションも読んだが、気になるタイトル『疼痛医学』。
とりあえず読んでインプット、こまめにアウトプットしていく。 pic.twitter.com/wnrWD96Vuk— 原田大樹 (@physiogumma) October 17, 2020
エファプス伝達てなんだよ
て思ってググってみたらいい感じのサイト見つけた。https://t.co/3u6Or48Klr
とりあえず疼痛医学面白いです。
まだ半分くらいだけど。 pic.twitter.com/RViOCH670t— Yazawa @ 頭痛 ✖︎ 鍼灸師 (@94javelin7) December 29, 2020
実際に読んだ感想
臨床現場で毎日といって良いほど遭遇する痛みについて復習するにはかなり有用だと思います。
発行日も比較的新しい書籍で、2020年の国際疼痛学会の痛みに関する定義についても対応しています。
職場や学会で症例報告を行う際など、根拠を示すために引用する文献の1つとして使いやすいと感じます。
懸念点としては、理学療法士/作業療法士に特化した書籍ではないという点です。
理学療法士であれば痛みの評価に「力学的ストレス」というものを考慮する必要がありますが、本書はどちらかといえば、痛みの脳科学や神経生理学、多面的評価法(心理・認知的側面)の情報を得るために役立つ内容になっていました。
そのため力学的ストレスによる痛みの評価については他の参考書の方が優れていると言えるでしょう。
余談ですが、神経ブロックや薬物療法、精神療法といった理学療法士以外の他職種に関わる内容も記載されているため、逆にそういった内容に疎い・知りたいという方は理解を深めるために役立つ内容となっています。