筋の構造・機能

外側広筋[vastus lateralis]

 

本記事では「外側広筋」に関する情報をまとめています。

概要

  • 筋腹の近位端は大転子の高さで前面や後面および遠位部に位置する。
    (内側広筋の筋腹近位端は小転子のすぐ遠位)
    中間広筋を含む広筋群の近位縁はほぼ大転子と小転子を結んだ線上に位置する。
  • 筋腹の遠位端は膝蓋骨近位端から約2横指近位の高さで終わる。
  • 筋腹の外面(皮膚側面)は広い起始腱膜におおわれており、その深層には厚い筋腹が存在。
  • 外側大腿筋間中隔から始まる外側広筋の斜頭といわれる部分の筋束は、シート状の停止腱の外面や内面に終わる。
    この筋腹は厚い腸脛靭帯に覆われている。

 

起始・停止・作用

起始

  • 大転子の前面および下面と粗線の外側唇

停止

  • 膝蓋骨底
  • 脛骨粗面

作用

  • 膝関節の伸展

神経支配

  • 大腿神経(L3〜L4)

 

筋連結

外側広筋は大腿二頭筋短頭、大殿筋、中間広筋、中臀筋、大腿方形筋、大腿筋膜張筋と連結をもちます。

筋重量

筋重量(g)
大腿直筋 110.55±43.33
外側広筋 375.85±137.18
中間広筋 171.86±72.89
内側広筋 239.44±94.83

筋長

筋長(cm)
大腿直筋 36.28±4.73
外側広筋 27.34±4.62
中間広筋 41.20±8.17
内側広筋 43.90±9.85

筋線維長

筋線維長(cm)
大腿直筋 7.59±1.28
外側広筋 9.94±1.76
中間広筋 9.93±2.03
内側広筋 9.68±2.30

羽状角

羽状角(°)
大腿直筋 13.93±3.49
外側広筋 18.38±6.78
中間広筋 4.54±4.45
内側広筋 29.61±6.89

PCSA(生理学的断面積)

生理学的断面積(cm2)
大腿直筋 13.51±4.97
外側広筋 35.09±16.14
中間広筋 16.74±6.91
内側広筋 20.58±7.17

トルク値(モーメント)

PSCA 20°寄与率(%) 90°寄与率(%)
大腿直筋 13.5 16.0% 17.4%
外側広筋 35.1 43.0% 39.0%
中間広筋 20.6 23.7% 24.1%
内側広筋 16.7 17.3% 19.5%

疾患・機能障害例

  • ジャンパー膝
  • オスグッド・シュラッター病
  • 下前腸骨棘列離骨折
  • 肉離れ など

 

参考および引用文献

  • 身体運動学 関節の制御機構と筋機能
  • 筋骨格系のキネシオロジー第3版
  • 改訂第2版 骨格筋の形と触察法

 

理学療法士のイマリ(@imari_yy)です。

現在は整形外科クリニックで勤務しながら副業(トレーナー&Blog)を継続しています。

 

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  • この記事を書いた人

イマリ

【資格】脳卒中認定理学療法士/運動器認定理学療法士/中級障がい者スポーツ指導員/ 【経歴】総合病院▶︎回復期病院▶︎訪問看護ステーション▶︎訪問看護ステーション▶︎整形外科クリニック/合計4度の転職経験/

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